腎臓病の方

病気療養中の方

腎臓病と診断された方。かかりつけ医や管理栄養士などに、取り寄せた資料をご確認のうえご注文・お召し上がりください。

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1.腎臓病とは

腎臓は、血液をろ過して老廃物を取り除いたり水分を調節したりする働きをしています。
腎臓病は、そのような働きをする腎機能が慢性的に低下したり、尿タンパクが継続して出てしまったりする状態です。
最近では、さまざまな種類がある腎臓病を総称して、CKDという言葉が広がっています。CKDとは、「Chronic Kidney Disease」の略で、日本語では慢性腎臓病と訳されます。
日本では成人の8人に1人、約1,330万人がCKDの疑いがあるといわれています。

原因

糖尿病や高血圧など、生活習慣病が原因となって発症することが多くなっています。

 

 

2.判断基準

健康診断では、尿検査で尿タンパク、血液検査でクレアチニンの数値を検査します。
※クレアチニンの数値と推算糸球体ろ過量(年齢や性別から腎臓が老廃物を1分間にどのくらい取り除けるかを示す/eGFRと略される)を計算します。
正常の場合、およそ100ml/分/1.73㎡になります。

eGFRの単位

ml/分/1.73㎡

尿タンパク陰性

(-)

尿タンパク弱陽性

(±)

尿タンパク陽性

(+/2+/3+)

eGFR<50 受診推奨 受診推奨 受診推奨
50≦eGFR<60 生活習慣改善 再検査推奨 受診推奨
60≦eGFR 正常 再検査推奨 受診推奨

*引用・参考:厚生労働省「標準的な健診・保健指導プログラム(改訂版)」より加工して作成

 

さらに詳しい検査が必要になると医療機関を受診し、尿検査や画像診断、血液検査などの検査を行います。

腎機能が低下(糸球体量(GFR)が60ml/分/1.73㎡未満に低下している状態)、

または尿タンパクが陽性である状態が3ヶ月以上続くとCKDと判断されます。

 

 

3.リスク

はじめのうちは自覚症状が少なく、健康診断の結果や症状が進行してから気づく人もいます。
腎臓の働きが低下し、老廃物や水分などの排泄・調整が難しくなると、脳卒中や心筋梗塞など心疾患や脳血管疾患が起こりやすくなります。
また、症状が進むと人工透析や腎移植などの治療が行われます。
CKDの方はそうでない方と比較すると、10倍以上人工透析が必要な状況になりやすく、心疾患や脳血管疾患などで命を落とすリスクが2倍以上になるといわれていますので、早めに治療をはじめることが大切です。

 

 

4.食事療法のポイント

腎臓病と診断されたら、進行を抑える生活習慣を送る必要があります。
そこで重要なのが、食生活の改善です。少しでも腎臓の負担を減らせるように食べ方を工夫しましょう。
基本は、塩分とタンパク質の制限、エネルギーの適正摂取ですが、それぞれの量などは腎臓の病態や生活内容で変わります。
食事療法は自己判断せず、腎臓の状態をきちんと把握しながら、医師や管理栄養士とともに進めていきましょう。

 

 

タンパク質コントロールのコツ

腎臓はタンパク質が代謝されて残った老廃物(尿素窒素やクレアチニンなど)を処理する臓器です。
そのため、タンパク質の摂取量が多くなると負担がかかります。腎機能に合わせてタンパク質の摂取制限をしましょう。医師から指示されたタンパク質量の範囲内で食事をする必要があります。

 

●上手にタンパク質制限を守るには

①主菜は見た目のボリューム感を大切に

骨付きや殻つきで盛り付ける、薄切りの肉や魚は野菜類を芯にして巻いて調理する、衣をつけて揚げるなど、ボリューム感を出しましょう。


②特殊食品を利用

タンパク質の含有量を通常の1/10~1/20に減らしたご飯、麺類、パン、でんぷん製品(はるさめ・くずなど)を利用すると便利です。
※詳しくは医師、管理栄養士に指導を受けてください。

塩分コントロールのコツ

腎臓の機能が低下した状態の場合、塩分の排泄機能が落ちています。
そのため、塩分をとりすぎると血圧が上昇し、体はむくみ腎臓に過剰な負担をかけてしまいます。
高血圧の方や少し進んだ慢性腎臓病の方の場合は、1日あたりの塩分の摂取量は6g未満が基本となりますが、治療は個人差があるので必ず医師の指示にしたがってください。
薄味の工夫については高血圧が気になる高血圧症を参照してください。

 

 

 

エネルギーコントロールのコツ

腎機能低下を防ぐためにタンパク質を減らすと、どうしても摂取エネルギーが減ってしまいます。
必要なエネルギーを、糖質・脂質で補足しないとエネルギーを作り出すために体のタンパク質が分解されることがあります。
その場合は口から摂取していなくても、尿素窒素などの老廃物が出て腎臓へ負担がかかります。

※ただし、肥満や脂質異常症などがある場合は補足する必要がないこともあります。

 

●上手にエネルギーを補うには

①砂糖・でんぷんの利用

タンパク質が含まれていないので、腎臓に負担がかかりません。

②菓子はタンパク質の少ないものを

穀物・小豆・牛乳・卵などを含まないものにしましょう。
※低タンパク質とエネルギー補給について配慮してあるお菓子やゼリーなど、ドラッグストアや通信販売などで買うことができます。詳しくはかかりつけ医や管理栄養士にご相談ください。

③効率が良い油脂類を

油脂は少量で高エネルギーです。
天ぷらやフライなどの揚げ物、中華などの炒め物などを1日1回くらいとりましょう。

カリウムの制限がある場合

腎機能が低下すると、神経の伝達や筋肉の収縮などの役割を持つ電解質の1つであるカリウムの排泄も減少し、「高カリウム血症」が認められます。その場合、カリウム制限が必要になります。

※症状に応じて、カリウムの他にもリン・水分の制限が必要になることがありますので、医師や栄養士の指導のもと正しい食事療法を進めるようにしてください。

 

●カリウムの多い食品と食べ方の注意

果物
バナナやメロン、キウイなどが含まれている量が多い果物です。

干し柿、アボカド、ドライフルーツ、100%ジュースにも多く含まれています。

缶詰の果物はシロップの中にカリウムが溶け出しているので、シロップは飲まないようにしましょう。

 

野菜・イモ

イモ類は全体的に多く、特に里いもなどに多く含まれ、かぼちゃ、サツマイモ、ジャガイモ、山イモなどにも多く含まれます。

野菜は、ほうれんそう、小松菜、セロリ、カリフラワーなどに多く含まれます。

 

肉・魚

すべての食品に比較的多く含まれます。特にお刺身などは注意が必要です。

また、肉類を煮込んで煮汁ごと食べる料理(カレーやシチューなど)にも注意しましょう。

干物類(丸干し、煮干し、かつお節など)は少量にしましょう。

 

大豆・大豆製品

納豆、枝豆、きなこ、煮豆類は避けましょう。

納豆を除く大豆加工品(豆腐、油揚げなど)はカリウムが比較的少ないので、メニューに入れましょう。

 

主食

麺類はゆでたあとに湯切りをしましょう。

 

海藻類

とろろ昆布、干しひじきなどに多く含まれます。

昆布巻きなど、大量に海草を使う食品は食べないようにしましょう。

 

お菓子

スイートポテト、ポテトチップス、チョコレートなどは避けましょう。

 

飲み物

トマトジュース、野菜ジュース、牛乳、豆乳、日本茶(玉露)、インスタントコーヒーは薄めに入れましょう。

玉露、抹茶はカリウムが多いので避けましょう。

 

 

5.料理のひと工夫

調理によって減らせるカリウム

カリウムを減らす工夫として、野菜類は調理の際にゆでこぼしたり(材料をゆでて沸騰したらその汁を途中でいったん全部捨て去り、再び新しい水から調理する)、水にさらしたりします。
カリウムは細胞の中に存在し、水やお湯に溶けるので、野菜などは小さく切って「ゆでこぼし」「流水にさらす」などを行うと、調理前の1/5~1/2に減らすことができます。

 

●野菜のカリウムを減らすコツ

・野菜類はゆでて干し、青菜などは水にさらす
・イモ類などは乱切りにし、表面積を大きくしてゆでこぼす
・キャベツやねぎなどは千切りして流水にさらす
・大根おろしの汁は切る
・皮をむいたり、種をとったりする

調理済み食品の利用

腎臓病食は、タンパク質と塩分の制限に加え、カロリーのコントロールもしなければいけません。そのため主治医から、具体的なカロリー・タンパク質・塩分量の数値を指示されているのではないかと思います。

指示された数値を守りつつ、栄養のバランスを考慮した献立作りは、はじめての方には非常に時間と手間がかかる作業です。また、家族とは別に作らなければいけないなど食事作りに不安を感じる方も多いでしょう。

そのような方のために、栄養管理がしっかりとされた宅配食・通販食をおすすめします。ご自身で作る負担を減らし、体にも安心できる食事をお召し上がりいただけます。宅配食や通販食を利用することで、一食の食事の量や味付けについて、だいたいの目安がわかるようになり、自宅で調理する際の参考にもしていただけると思います。タンパク質の調整がしてある食事やおかずをお選びいただき、主治医から指示されたタンパク質量(20~60g程度の幅があります)のものを選びましょう。いくつかの企業の食事を見比べ、ご自身にあったものをお選びください。

 

 

6.透析とは

透析は、腎機能が十分に働かなくなった場合に老廃物を人工的に取り除くために行われます。

透析には血液透析と腹膜透析の2種類があります。

血液透析は血管に針をさし、血液を体外に取り出します。機械で血液の老廃物をろ過して血液を体に戻します。血液透析にかかる時間は症状にもよりますが、慢性腎不全の患者で3~4時間、週3回程度で、医療機関で施術を行う必要があります。

腹膜透析は臓器を包んでいる腹膜という膜に透析液を注入し、腹膜をフィルターとして利用して透析液と老廃物を腹膜腔から排出させます。腹膜透析は自宅や職場で患者本人が行うことが可能です。

患者の合併症の有無や年齢、生活状況などをふまえてどちらの透析を選択するか考える必要があります。



7.透析導入後の食事療法のポイント

腎機能の低下が進行していくと、透析導入が選択肢の一つとなります。

透析導入後、タンパク質や水分、塩分などをコントロールすることによって、腎臓がさらに悪化することを抑え、次回の透析までの間の体調を整えて、透析をするときの負担を軽くさせるのが食事療法の目的です。

食事療法のポイントはタンパク質、塩分、エネルギーコントロールに加えて、水分制限が加わります。

 

 

水分制限について

●塩分の多く含まれている食品をとると、のどが渇き水分を摂取したくなります。そのため塩分をコントロールしましょう。
●ゼリーやソフトクリームなどの水分の多いお菓子や、キュウリやスイカなどの水分を多く含んだ野菜・果物を食べ過ぎないように注意してください。
●うどんやラーメンなどの麺類の汁はできるだけ残すようにしましょう。
●透析後から次回の透析まで、どのくらいまでなら体重が増えても問題ないのかを把握し、食事由来の水分(1000ml/日程度)を考慮したうえで、お茶などの飲み物を1日にどのくらいまで飲めるのかを知っておきましょう。
●毎日体重をはかって管理し、水分をとりすぎていないか確認しましょう。

 

 

8.食事以外の日常生活での注意点

規則正しい生活を送る

腎臓に負担をかけないよう十分に睡眠をとり、生活習慣を正しましょう。
また、激しすぎる運動は腎臓に負荷を与えてしまいますが、ある程度の運動は体重や血圧の低下につながり、尿タンパクの改善に効果があるとされています。
症状に応じて制限も変わってきますので、医師の指導にしたがうようにしてください。

血圧と体重の管理

血圧と体重は腎臓に密接に関わってきます。
メタボリックシンドロームや高血圧などの生活習慣病がある場合は、適正な体重や血圧に近づけ生活習慣病を改善することが推奨されます。
定期的に診察を受け、腎臓の状態を把握しておきましょう。

禁煙を心がける

煙草を吸う人は吸わない人と比較すると、1日20本以上の喫煙者の場合CKDの発症リスクが2.3倍も高いといわれています。
CKDの危険因子であるメタボリックシンドロームなどの発症の原因になることも報告されているため、禁煙を心がけましょう。


よくある食事相談

Q1.腎臓病のレシピで「ゆでこぼす」という作業がありました。ゆでるだけとは違うのでしょうか?

A1.「ゆでこぼす」とは、材料をゆでて沸騰したらその汁を途中でいったん全部捨て去り、再び新しい水から調理する方法です。
カレーやシチューなどの煮汁ごと食べる料理、肉じゃがやポトフなどの煮物もイモや野菜をゆでこぼしてから調理するとカリウムを減らすことができます。


Q2.なぜ腎臓病食ではご飯の量も制限されてしまうのでしょうか?

A2.腎臓病食ではタンパク質を制限しますが、ご飯にもタンパク質が含まれているからです。ご飯は1膳(180g)でタンパク質が4.5g含まれ、1日3食の摂取で13.5gになります。1日に決められたタンパク質量が30gの場合、ご飯で4割程度のタンパク質をとることになるので、肉・魚・卵・大豆製品などの摂取量を上手に調整する必要があります。
このような調整が毎日となると、食事療法を続けていくことが不安になる方も多いと思います。
食事療法を長続きさせるために、ご飯・パン類、麺類等主食のタンパク質含有量を減らした「タンパク質調整食品」というものがあります。タンパク質が通常の食品の1/10~1/20程度に抑えられているものもありますのでご活用ください。タンパク質調整食品については医師、管理栄養士にご相談ください。


【参考】

●厚生労働省「標準的な健診・保健指導プログラム(改訂版)」

●厚生労働省(2012年)「生活習慣病を知ろう! – スマート・ライフ・プロジェクト」

●厚生労働省「e-ヘルスネット 情報提供」

●日本腎臓学会(2012年)「CKD診療ガイド2012」

●Merck & Co., Inc., (2007年)Kenilworth, N.J., U.S.A.、「メルクマニュアル医学百科 家庭版」

●藤田芳郎監修(2014年)「わかりやすいCKD・透析テキスト」株式会社じほう

●日本腎臓学会(2013年)「エビデンスに基づくCKD 診療ガイドライン2013」

●東京女子医科大学病院「腎臓内科」

 

一日の献立例
(おすすめレシピより)

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